【第3話】社畜、振り返る

前回のあらすじ

1年目のホース作りで生きがいを見出す僕だったが、2年目から一変する。
業務は増え、鬼パイセンから怒られる日々を送る。
怒られ過ぎて、透過=ストレス無効化スキルを体得し、僕は社畜となるのだった。

社畜、振り返る

社畜な日々

社畜は4年目になった。
相変わらず、出社→怒られる→透過!の日々を送っている。

血尿が出て浮気疑惑がかかったり、
後輩がメンタルで休職したり、
社畜ライフに磨きがかかっている。
※検査の結果、性病ではありませんでした。

そしてついに、ぐりさんと結婚。
ぐりさんは前職でメンタルになるも、転職し元気になっていた。

一方で社畜は、深夜に帰宅し翌朝出社するためほぼ家に居なかった。
ノートに今日あった出来事を書いて会話する、交換日記生活。

たまりかねたぐりさんは、労基署に電話した。

労基署!!

労基署からのアドバイスで、社畜の残業時間を記録するぐりさん。
(記録しておくと未払い残業代として請求できるよ)

ただし、本人からの相談がないと調査に入れないらしい。
社畜はぐりさんから

いけー!!!

と背中を押してもらうも、こわくてできなかった。
ごめん…ぐりさん…

限界を知る

5年目、鬼パイセンが異動することになった。

お!いいじゃん!

そう思うかも知れない。
でも違う。

鬼パイセンから業務を引き継ぎ、社畜の案件は50件を突破する。

単に案件が増えるだけではない。
鬼パイセンはすこぶる厳しく、他部署のオッサン連中にも厳しい。
オッサンたちからの理不尽な業務依頼にバリアを張る、お札的な役割があったのだ。

鬼パイセンのご加護
鬼パイセンのご加護


しかし今まさに、そのお札が剥がれてどこかへ飛んで行こうとしている。

終わった

社畜が身に付けた技は、透過しかない。
オッサンから浴びせられる業務依頼=呪いは、透過してやり過ごそう。

そして予想通り、あまたのオッサンたちの呪いを受けることになる。

鬼パイセンすごかったんだな…
鬼パイセンのありがたみが身に染みる。

呪いをやり過ごすたびに、製造ラインの規制が増えていった。

とばっちりを喰らうのは現場の作業者だ。
オッサンたちが考えた理不尽なルールを守ることになる。
現場の作業者、管理者からも苦情が出る。

板挟みだった。

1年目は現場に恩返しをしたかったのに、今まさにで返してる。

作業者が苦しい中で、
「こういう案なら、なんとかならんかな?」
と頼ってくれたのに、

もう無理です!!

と裏切った時は苦しかった。


深夜に帰宅して夜寝る前、

社畜の頭の中

オッサンの依頼
  ↓
それを現場にお願い
  ↓
現場に恨まれる
  ↓
過ぎる納期
  ↓
オッサン怒る
  ↓
オッサンの立場を守る資料作成

やらなきゃいけないこと、やるべきことがグルグルして夜眠れなくなった。
2時に布団に入ってもう5時…早く寝ないと…

社畜は、朝起きられなくなる。

会社に行けない。

透過!も自分の内側からのグルグルには効かないんだ。
社畜は限界を知る。

もう、無理だ

そんなある日。
社畜は健康診断中に倒れる。
受け答えからメンタルをやられてることがバレてしまった。

やっちまった!!

と思った。
でももう楽になりたいと思い、眠れないこと、勤務状況をありのまま話した。

産業医の指示で残業規制が入る。
やることまみれで17時に帰るのは苦しかった。

電話が鳴ってる。
でも無視する。

そして帰宅し、久しぶりにぐりさんと夕食を食べて思う。

「自分は何をしてたんだろう」

社畜は振り返ることにした。

自分の気持ちを大事にしよう

これまで、他人が良いと思うであろう道を選んでた。
みんな塾に行くから行くとか、みんな安定した企業に行くから行くとか。
そういう他人の価値観で生きてたのかな。

だから、ちょっとブラックでも成長できるんじゃね!?
なんて言って、自分からブラックに入社した。
他人の価値観に人生を奪われることも知らずに。

人生死んだら終わりだ。

夏休み、キャンプ中の遊びの計画を立てた時、
中・高と部活に入る時、
心からワクワクしたっけ。
ああいう自分の気持ちを大事にしよう。

まずは家族:会社=7:3を目指す。

社会に貢献するために働くとか、えらくなるとか、正直しっくりこない。
お客様に貢献するとかぼやーとした企業理念も無視だ。

会社ではお世話になった現場の人、一緒に働いたチームに自分の価値を提供しよう。

お金について知ろう

生きる上でお金はあった方がいい。

ただ、今はお金に支配されてる気がする。

どのくらいお金が要るか分からない。
という恐怖が、会社に通う原動力になってしまっている。

まずはお金のことを知ろう。

とりあえず、支出を全部書き出した。
見たくない数字、見えづらい数字も書き出す。

見たくない数字たち

・売店の買い食い
・コンビニATM手数料
・タクシー代
・飲み会代

見えづらい数字たち

・税金
・社会保険料
・年金
・生命保険料
・車検代、自動車保険

すると1年間生きるための費用が分かってくる。

お金の支配から抜け出す1歩目だ。

サラリーマンにとってお金は時間だ。
よくTime is moneyというが、逆な気がする。

お金は時間なんだ。
給料は、切り売りされた家族の時間だ。
手元のお金は、泣きそうになりながら働いた時間だ。

ムダにはしたくない。
とはいえ浪費も必要だと思う。
だから満足感の低い浪費をやめた。

いざ、反撃!

そうして振り返ると、
他人にもお金にもとらわれず、自分のワクワクすることをやる。

という最強マインドを手に入れた。

6年目、社畜の反撃が始まる。

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